*ガキの上のポニョ

暗い部屋が一つ。そこは世界とは隔離され、叫び声一つ漏れないぐらいに厳重に封印された場所だった。

中には柱が一本あり、唯一存在する物であるそれには、女性がロープできつく固く縛り付けてある。ロープは女性の肌に食い込み、赤い痕を残しているだろうということは容易に想像することが出来る。

部屋にはその女性より比較的若い女性と少年がいる。若い女性は嗜虐的な笑みを浮かべ、その足元に少年はひざまづいていた。

「お、お母さんを放してよ!」

少年が目の前の女性に向けて声で叫ぶ。縛り付けられているのはどうやら彼の母親らしい。女性は彼の悲痛な訴えを聞いてもその表情に変化はない。いや、若干口の端を更に吊り上げたか。

女性はその素足を少年の前に突き出す。少年は女性の突然の行動に目を白黒したが、彼女の次の言葉で直ぐさま意図を理解した。

「足をお舐め。お前にはその程度しか出来ないのよ?」

少年は歯を食いしばった。誰だって人の足なぞ舐めたくはないだろう。嫌悪感に眉をひそめた。

しかし、彼はそれと共に胸が弾んでいることもわかっていた。少年は生まれながらに変態マゾヒストだったのだ。

彼女の足を舐めたい、けれど恥ずかしい。しかし一度舐めてしまえば、隷属という甘い言葉に蕩けてしまいそうだ。

少年がジレンマに悩まされている間に女性は表情を厳しくさせた。どうやら待ちくたびれたらしい。

女性はそのまま足で少年を仰向けになるように蹴り飛ばした。するとすぐその上に馬乗りになる。格闘技でいうマウントポジションの形になった。

「く、くるしいよ……」

少年が小さく呻く。その声に女性は身を震わせ、頬を染めて喜んだ。

「胸に触りなさい。感触はどうかしら?」

女性が少年に強い口調で命令した。少年の理性は音を立てて崩れ、女性のたわわな胸へと手を伸ばした。彼の理性は生足を前にした時点でヒビが入っていたのだ。

「どうかしら?」

「凄くポニョポニョです」

女性の高笑いが周囲に響く。少年は自虐的な笑みを浮かべた。彼は自分に許された自由はそれだけなのだろうと思った。

しかしそれとは別に、心臓の異常な高鳴りの意味も理解していたのだ。